<< 【定期ポスト】ロンドンもっと偏食生活 | main | プレミアムハイチュウ >>
真昼へ
0
    津島佑子が1988年に書いた私小説的作品。 

    1988年に書かれた文学なのだが、今でいうとファンタジーになってしまうのではないだろうかと思うほど、定まらない。夢なのか空想なのか、過去なのか今なのか。

    1985年にまだ10歳に満たない息子である「あなた」を亡くした時の、身を割かれるような苦しい思いをどうして綴るのだろう。綴ることで落ち着く気持ちがあるとはいえ、小説として世に出すにはそんな素人の日記のレベルはとうの昔に超えていて、自分の心さえも他人のもののように観察し、息子と兄や父(太宰治)の死や母との関係を含めて描けるほど落ち着いていなければできないだろう。それを3年やそこらのうちにするとは。

    でもだからこそ時空間が歪むのかもしれない。

    泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、後悔して、泣いて、泣いて、泣いて、後悔して、泣いて、泣いて、泣いて、後悔して、分析して、泣いて、泣いて、分析して、泣いて、後悔して、泣いて、分析して、泣いて、分析して、泣いて、分析して、落ち着いて、書き始めて、泣いたのだろうか。

    「もう甘えちゃいけないんだってことが、分からないのか。お前のお母さんはやっと、安らいだ生活を手に入れることができたんだ。お前の顔などを見たら、それが台無しになるんだ。あれは、あの人だけの家なんだから、それを忘れるなよ。」P.140
    を読んで、親の家は勝手に片付けてはいけないのだ、と腑に落ちた。

    彼女は東日本大震災の後、震災文学に参加している社会派でもある。読んでみたいのはこの本 と遺作であるこの作品

    どうしても異母妹の太田治子と比べられることが多いので、太田治子も読んでみたいと思う。
    カテゴリ:本棚 | 03:10 | comments(0) | - | - |
    スポンサーサイト
    0
      カテゴリ:- | 03:10 | - | - | - |
      コメント
      コメントする