春色の汽車に乗って
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    ToshIが松田聖子のカバーを歌っていた。
    サングラスにスーツ姿に手袋、牙のようなシャープな歯を見せながらも、そっと囁くように歌う声は「この人、本当にシャウトなんてするの?」と訊きたくなる。

    X Japanが再結成したのにもかかわらず、YoshikiとToshIの単独活動は続いている。棲み分けなのか、競合または鉢合わせを避けているのか、それぞれが出演する番組は微妙に違い、見ている番組によってはどちらか一人ばかりを見ることになる。好きだったのにそうそうに打ち切りになってしまった関ジャニの「ペコジャニ」という番組にToshIがスイーツが好きということでよく出ていたこともあり、それ以来、なんとなくToshIに肩入れしている。ヒナちゃんこと村上信五くんと一緒にロケに出ていることも多かったので、余計に親近感がわく。二人とも歯に個性があるし。

    そんなToshIがそっと囁くように歌い始めたところ、脳内の奥底にしまわれ、忘れ去られていた記憶の蓋が開いた。十代のころに覚えたことは忘れないというけど、本当だ。何十年も経ったのに、二番までしっかり歌い上げることができた。もう遠くにToshIのビデオは終わっているのにもかかわらず。



    子どものころはわからなかったことや、この何十年かで自分や世間が変わってしまったことを噛みしめながら、もう一度歌った。

    昔は大人の男性の象徴だった「たばこのにおい」には寄り添うどころか今となれば道端ですれ違う時でも避けたい匂いだし、「ちょっぴり気が弱いけど素敵な人だから」ってだけでついていきたいなんて思っちゃダメだよ、そういう男はついてこさせる方がいいよ、と入れ知恵をしたくなる。
    気の弱さなんて絶対に変わらないんだし、それがすでに気になっているあなたの気の強さも変わることはない。

    それが理由なのかどうか、私はいまだにスイートピーの花が識別できない。
    スイートピーの茎の先っぽはサラダパックに入っているから、くるくるっとしているのぐらいはわかる。時々、歯の間に挟まると困る。

    乗るのは春色の汽車ではなく、白い飛行機。
    カテゴリ:日記 | 03:06 | comments(0) | - | - |
    【定期ポスト】ロンドンもっと偏食生活No.38
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      「ロンドン偏食生活」がパワーアップして帰ってきました。

      サンプルページもこちらから。
      ロンドンもっと偏食生活

      これまでの軽妙な文体はそのままに、もう少し深く突っ込んだり俯瞰したりと新たな切り口で、日本と同じようにはいかないイギリス生活を楽しんでいる様子や、在英20年を過ぎてもまだ新しい発見が見つかる英語の面白さをお届けします。

      本日の日本時間午後5時に最新号を配信します。

      タイトルは「 知らないことの恐ろしさ」で、
      勝手に洋服や靴のサイズがかわることについて。
      自分のサイズに自信がない人にはぜひ読んでほしい回です。

      月に3回発行、月額599円(税込み)。申し込み初月は無料。
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      カテゴリ:メルマガ | 06:36 | comments(0) | - | - |
      まだ泣けてくる
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        姫と殿を引き取った猫シェルターでボランティアをしている。
        先日も、個人情報保護に関する書類を分類するとても時間のかかる、しかし単調なお仕事を、特に期限もないので、のんびりとやっていた。

        そしたら、偶然にも見つけてしまったのだ。

        姫と殿の書類を。

        夢中になって書類をめくる。

        どういう経緯でいつシェルターに来たのか、シェルターではどうだったのか、何の検査をしてどうだったのか、一時預かりの時に一通りの書類は見たはずなのに、改めて読んでみると、忘れていたことや勘違いしていることがあった。


        中でも、シェルターに来て数日後のメモに目が行った。

        「黒猫(姫のこと)はとても友好的」
        「白黒猫(殿のこと)はシャイ」

        体中の細胞が震えた。


        姫、とても友好的だったんだね。そうか、そうか。
        不安だっただろうに、それでも楽しいことを見つけようとしていたんだろうか。


        書類を抱きしめて、姫の感触を思い出した。

        震えた目から涙がこぼれた。


        また泣けてくる。まだ泣けてくる。


        今でも、大好きだよ、姫。


        涙を拭ったら、フィルムタイプのマスカラが指先についてきた。
        一人でこの仕事しててよかった。
        カテゴリ:ネコ猫ねこ | 05:09 | comments(0) | - | - |
        チャイアイス
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          チャイ(インド風ミルクティ)を見かけると試しているという話を時々しているので、私のチャイ好きを覚えている方もいるのではないだろうか。

          夏になってすぐに、スーパーで新製品を見つけた!

          「チャイ・ラテ・ロリー(アイスキャンディー)」と書いてある。
          普段なら左下の成分表を見て手を出さないことにするのだが、脂肪分、飽和脂肪酸分、糖分、すべて黄色の「ちょい危険」ゾーンなのに。

          それだけ好きなのだ。他で気を付ければいいわけだし!

          ココナツの風味が全体的に、しかし主張せず静かに口の中に広がると同時に、紅茶風味とカルダモン、シナモンなどの香りがあぶくのように出てきては消える。

          テレビドラマでも取り上げられていたけど、「きのう何食べた」のクリスマスパーティー特別メニューのミルクティーアイスをもっときちんと凍らせたものではないだろうかと思う。

          漫画だったら7巻ね 

          シロさんいないけど、自分で作る気もないけど、ありがとう、ウェイトローズさま。
          でもあまりに恐ろしい数値なので、この夏はひと箱で終わりにします。
          カテゴリ:食卓 | 03:11 | comments(0) | - | - |
          輝く未来を
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            平原綾香のデビュー曲であるJupiter   の歌詞の一部。

            この曲を初めて聴いたのは、きっちりとは覚えていないがリリースされた2003年から何年か経った後だったと思う。
            仲間内のパーティーで歌うために一人で早朝の公園で練習していた時に想定していたのが10も年上のちょっとした有名人。

            その時は不遜にも「40代前半なんてまだまだイケる。今、どこで何をしているかわからないけど、どうか思うように生きて、輝く未来を」という気持ちで歌った。いや、少なくとも練習していた。

            そして今、さくっとその時の相手の年を追い越した自分が考えているのは、私が思う以上に10の年の差は大きいのかもしれない、ということ。

            一方で「40代前半なんてまだまだイケる」と思っていたが、それどころか、ひよっこだ。
            自分を顧みると、子供のころからそうそう変わってなんかいない。成長なんて3ミリもしていれば上等。「神様は越えられない苦労は与えない」というけど、だとしたら私に子供がいないのは当然のことだと思う。人生の伴侶には残念なことだと思うけど。


            その時は「私を呼んだなら どこへでも行くわ」なんて夢見心地で歌っていたけれど、きっとその人が呼ぶのは私のようなファンではなく、公にまたは私的に出会った介護士。いや、そこまでお年を召してはいないだろうし、それほど裕福だとも思えないのだけど、まぁ、現実的には少なくともご家族だ。

            もっと若い人バージョン  のJupiterもあるのだけど、私は平原綾香の低く響く声が好き。

            高くてかわいらしい声がいいとされる日本の感覚では私の声は低すぎて、ドスが効きすぎていた。一生懸命、世間の可愛さに合わせようとしてみたこともあるし、訓練によってヘンデルのハレルヤの合唱ではソプラノに入れた。

            しかし、私の持ち味はこの与えられた低く伸びる声。今は自分を抱きしめてありのままでずっと歌うのだ。
            カテゴリ:日記 | 17:19 | comments(0) | - | - |
            「ナラタージュ」
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              島本理生の2005年の小説

              耳で聞いただけ、カタカナだけではどうしても正しくタイトルを覚えられなかったのだけど、本に由来が書いてあって、やっと覚えられた。「ナレーション」と同源ってことね。

              良くも悪くも島本理生らしい登場人物であり展開。
              本が好きでおとなしそうだけど突飛なことをする、一人暮らしの女子大生。
              絶望を背負いつつ、抜き差しならぬ事情で女にからめとられている年の離れた男。
              「それ、性犯罪!DV!」と突っ込みたくなる同年代の彼氏。

              良くも悪くもベタベタの現代日本文化。

              それでもこの作品が今まで読んだ中で一番面白いと思えたのは、相手役の男たちの弱さの理由が描かれていること。

              それと主人公の親友は「恋人同士であっても一回一回、性交渉の前にはきちんと同意すべき」ととってつけたように言うのだけど、言わせるだけでも評価する。

              この小説は2017年には松本潤と有村架純で映画化もされている
              映画は見てないが、二人の顔はよく知っているので、本を読んでいるといつの間にか頭の中の映像に二人が出演し、小説を読み終わった時点で、映画まで見た気になった、一石二鳥の本だった。
              でも映画の予告を見たらどうやら原作通りではないらしい。
              年上の男の弱いところが、当時の彼のスキャンダルと相まって納得がいく。あぁ、潤君、そうやって…いや、もう言うまい。本当かどうかはわからない噂だし。

              最近JSTVで放送された「VS嵐」が
              「先生!好きになってもいいですか」という映画 の番宣の回だった。プラスワンゲストはブルゾンちえみwith B。生田斗真が広瀬すずの世界史の先生役だったことから先生つながり(小説版「ナラタージュ」の教師は世界史だったが、潤君は「社会科の先生」と言っていた。映画は違うのか?)で、
              そこに「先に生まれただけの僕」 で校長先生役をした櫻井翔が入り、ブルゾンちえみwith B の真似をしていたのが面白かった。

              閑話休題。

              個人的には教師と生徒なんて片思いが一番だと思う。教師はあくまでも教師として一線を越えるべきではないし、生徒は教師の気持ちを裏切るべきだと思う。それを小説の「ナラタージュ」では「教師の恩なんか、買うだけ買って、踏み倒せばいいんだ」と表現している。この表現はさすがだな、と思った。

              もちろん、教師も人間だから基本的人権はあるし、人を好きになる自由は保障されている。教師を聖職者だと美化するつもりもない。しかし、おおよそ、教師を好きになる生徒はその先生に大人の恋人や好きな人ができたら、圧倒的に不利なのだ。
              例えば「ごめんね青春!」 という学園ドラマは錦戸亮と満島ひかりが教師役で出ていて、それぞれに告白する生徒たちがいるのだが、教師同士がカップルとなる。
              生徒、どう頑張っても無理。
              普通、生徒が相手なら(表向きだけでも)卒業するまでは何もできないが、大人同士なら好きになったその瞬間から次のステップに進める。これは強い。

              一方、数多あるプロの妄想と違い、現実の生徒たちもすぐに教師と付き合うなんてできないが、生徒同士ならほぼノープロブレム。仮に大人であっても学校(や塾など)で出会っていなければ、付き合うというハードルは教師よりは低い。

              そして生徒たちには輝かしい未来がある。基本、教師よりも長い未来とたくさんの可能性がある。出会いもある。
              彼らはすぐに卒業して、新しい世界に飛び込み、新しい出会いを得る。その時に、もしかしたら好きだった教師を基準にして恋の相手を選んだり、選ばれたりして、新しい世界になじんでいくだろう。何回か失恋して、それでもまだ先生のことを忘れられなければ、連絡を取ってみればいいだろう。

              だいたいその頃までに、新しい世界に行った生徒が変わったのはもちろん、教師の方も何百人という新しい生徒と向き合っているので、当時とは違う雰囲気を醸し出すだろう。

              そこだ。

              その違和感こそが二人の幻想のほころびなのだ。

              だから、教師と生徒は創作の中でぐちゃぐちゃになればいい。
              そういう意味でこの小説はとても面白かった。
              カテゴリ:本棚 | 04:43 | comments(0) | - | - |
              人名のような
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                車好きなので、イギリスまたは日本で量産している普通乗用車ならだいたいわかるのだが、これは初めて見た。



                マツダのTakuyaという車。

                マツダタクヤって、誰?と突っ込みを入れたくなる。


                調べてみたら、日本では「デミオ」「アクセラ」「アテンザ」のそれぞれ「Matzda2」「Matzda3」「Matzda6」という名前だった3種類を2010年にイギリス市場向けに「Takuya」という名前を付けたのだそうだ。

                ということは、私が見かけたTakuyaは別名デミオだな。

                これからよく見かけるようになるのかしらん?

                カテゴリ:日記 | 21:12 | comments(0) | - | - |
                私の ♯Ku too
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                  最近は私の周りでこの話をする人が減ってきたのか、梅雨時の日本では長靴でもはいているのか、一時期に比べて靴の話を聞く機会が極端に減った。

                  最近はこのようなフラットシューズ ばかりはいているので、すっかり忘れていたが、そういえば、私もつい数年前まではヒールの靴をはいていたものだ。

                  イギリスでは、誰も私にどんな靴をはけと強制する人はいなかった。
                  自分でもハイヒールは完全に自分の趣味であり好みだと思っていたが、
                  働く女性はヒールをはかなければいけないと、どこかで思い込んでいた
                  かもしれない、と、今は疑っている。

                  そもそもの刷り込みは日本で就職したときだった。
                  バブルが弾けた一年目は「すでに採用計画を立てているから」という理由で
                  ギリギリ先輩たちが滑り込んだ扉が閉ざされた就職氷河期一期生。

                  なんとか入った会社はとても古い体質の会社の営業職。
                  シャツの色、スーツの丈、そして靴のデザインまで先輩に指導された。

                  そこではっきりと「パンプスで」と言われたのを覚えている。
                  幸い、車で回ることが多かったので、運転用のフラットシューズをはき
                  客先の駐車場で履き替えることができた。

                  が、そこまで指定してくる会社と私の相性が合うわけはなく、早々にやめた。
                  それは正しい選択だったと思っている。

                  数年前からショート丈のブーツが欲しいと思って探しているが、あいにく
                  ピンとくるものがない。
                  今回も、いいな!と思ったのはこの靴だった。

                  イギリスでは見ない型だから、ずいぶん前のものなのか、それとももっと大きな店に行かないとないモデルなのだろうか。もう面倒だから日本のアマゾンで買っちゃうか?
                  カテゴリ:日記 | 02:01 | comments(0) | - | - |
                  暑い日は冷たいもの
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                    殿はネコにしては暑がり。
                    特に冬場は寒い場所に涼みに行くし、夏場はバスルームのタイルで寝そべっている事が多い。
                    ものすごく暑い日には、西洋式の長い浴槽に栓のほうから半分だけ水を溜めておくと、水のない方から浴槽に入り、水遊びなども楽しむ。

                    だから、気が付けばよかったのだ。彼が最近ウェットフードを食べないのは暑かったからだと。

                    殿と姫がうちの子になったのはそれぞれ7歳と14歳(推定)。
                    シニア猫はつとめて水分補給をさせないといけないと聞いていたので、ウェットフードをほぐすときに水を混ぜてあげていた。

                    最後の冬は寒がりで、鼻もあまり効かなくなっていた姫のために、水をお湯に変えた。さらに封を切る前に湯せんで温めてみたら、さらに姫の食欲は増した。
                    それ以来、湯せんにお湯でほぐすのが習慣になっていたのだが、どうも最近、殿の食いつきが悪い。

                    彼の一番好きな「オーシャンフィッシュ」味  も残すほど。

                    おかしいなと思ったが、ドライフードは食べているので食欲不振というわけではなさそうなので、様子を見ていた。

                    そんなある日、時間がなくて湯せんができなかったが、思いのほか、よく食べた。
                    翌日、さらにほぐすのを水にしたら、久しぶりに即完食した。

                    そうだ、ニンゲンだって暑い日は冷たいものを 食べるじゃないか。
                    それに猫は猫舌だ。
                    自分のうっかりにがっかりするとともに、殿が健康だということが改めてよく分かって、嬉しかった。
                    カテゴリ:ネコ猫ねこ | 02:28 | comments(0) | - | - |
                    【定期ポスト】ロンドンもっと偏食生活No.37
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                      「ロンドン偏食生活」がパワーアップして帰ってきました。

                      サンプルページもこちらから。
                      ロンドンもっと偏食生活

                      これまでの軽妙な文体はそのままに、もう少し深く突っ込んだり俯瞰したりと新たな切り口で、日本と同じようにはいかないイギリス生活を楽しんでいる様子や、在英20年を過ぎてもまだ新しい発見が見つかる英語の面白さをお届けします。

                      本日の日本時間午後5時に最新号を配信します。

                      タイトルは「姪の結婚式」で、6月に行われた姪の結婚式について。
                      ご自身やご家族、ご友人に結婚式を控えている人、海外の結婚式事情を知りたい人にはぜひ読んでほしい回です。

                      月に3回発行、月額599円(税込み)。申し込み初月は無料。
                      今申し込むと今月分が無料になります。月途中の登録でもその月中に発行されたメルマガが全て届きます。

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                      カテゴリ:メルマガ | 05:31 | comments(0) | - | - |
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